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【春フェア取材・淡路夢舞台】「香りとくらす」アーティスト和泉 侃(Izumi Kan)氏インタビュー(前編)
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レポーター紹介
投稿者 | 大地の種*旅するピアニストシンガー海賀千代 |
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性別 | 女性 |
年代 | 50代 |
住まい | 兵庫県 |
趣味 | 自然と戯れること・五感が喜ぶことをすること |
自己紹介 | 植物音楽ユニット・大地の種*旅するピアニストシンガーソングライター海賀千代(かいがちよ)です。 淡路島は美しい大自然の恵みと、そこに住む人たちが育むエネルギーが融合して素晴らしい魅力にあふれています。五感が喜ぶ情報をたっぷりとお届けしてまいります。 ◆植物音楽ユニット・大地の種オフィシャルサイト https://www.daichinotane.com/ |
【春フェア取材・淡路夢舞台】
「香りとくらす」
~「香りの島」淡路島で「くらしの中の香り」と向き合う時間を~
春期花みどりフェアもいよいよ後半となりました。
緊急事態宣言の発令により、一部施設が休館となったりイベント内容の変更を余儀なくされる場面もありましたが、花々は美しく咲き続け、人々に癒しを与えてくれています。
GWのトップを飾るイベントは、4月24日(土)、25日(日)に淡路夢舞台 野外劇場・芝生広場にて、「香りとくらす」をテーマにアーティスト和泉 侃(Izumi Kan)氏がプロデュース。
沈香伝来の歴史やお線香の生産シェア日本一を誇る「香りの島」淡路島で、「暮らしの中の香り」と向き合う時間を作れたら、という想いから企画されました。
当初はお線香や香りの専門店、カフェや雑貨などが並ぶマーケットが予定されていましたが、コロナ渦を配慮して無観客・インスタ配信に切り替えての開催となりました。
この度素敵な企画を考案されたアーティスト和泉 侃氏が花マガインタビューに応じてくださいましたのでご紹介いたします。
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アーティスト Installation/Scent Design & Direction
和泉 侃(Izumi Kan)氏インタビュー (前編)
<Profile>
「感覚の蘇生」をコンセプトに、身体感覚の変化を生み出す作品を探求するアーティスト。2011年から香りを使ったスペースデザインを専門とする企業に所属し、5つ星ホテルや様々なジャンルの店舗空間を香りで設計するプロジェクトに携わる。2015年より本格的に作家として活動を開始し、インスタレーションの制作発表のほか、空間や製品における香りのデザインやディレクションを手がける。 2017年に淡路島に拠点を移し、植物の生産、収集、蒸留などの原料製造から、調香やボトリングのプロダクトアウトまでの過程を一貫する取り組みをはじめる。
■和泉さんが初めて「香り」を意識されたのはいつ頃どんなきっかけだったのですか?
学生時代はアスリートとしてテニスに打ち込んでいて「香り」とは無縁の世界だったのですが、競技をやめて「何か好きなことはないかな?」と探してもなかなか見つからなかった中、ある秋の日に金木犀(きんもくせい)など植物の強い「香り」に幼少期の懐かしい記憶が蘇った経験がありました。それを機にそれまで嗅いだことがない「未知の香り」に好奇心を抱くようになって勉強を始めたのがきっかけです。プロセスより結果が重視されるアスリート時代とは違って、「香り」は人の本能に働きかけるもので、感性や個性を肯定してくれる存在であることにも興味を惹かれてのめり込んでいった所以だと思います。
■今までの人生の中で最もインパクトのあった「香り」は何ですか?
いろいろありますが、淡路島では香木の伽羅(きゃら)の香りは強烈なインパクトがあって、言葉に言い表すことができないほどでした。特に粉末状の伽羅の香りは今でも鮮明に記憶に残っています。
■淡路島に移住されて4年目とのことですが、島のくらしはいかがですか?
元々2年ほど仕事で淡路島に通う期間を経て淡路島に拠点を移すことになったのですが、本当に素晴らしい場所で、豊かなくらしがあって、作物や植物が育つ環境にも適していますし、どこに行くにもアクセスも便利で、自分のライフスタイルに合っていてとてもバランスが良いと思います。
■さまざまな「香り」の中で今一番ご興味があるのはどんな「香り」ですか?
現在は「食」の分野に最も注力しています。ハーブを例にとると、これまでフレグランスや化粧品など、いわゆる香りのプロダクトを手がけてきたのですが、やはり人々のくらしに直結する「香り」として常にあるのは「食」にあるという観点から、フローラルウォーターなどの蒸留水を「食」や「飲み物」として取り入れるなど、身近なところで「香り」を意識できることをご提案しています。
■「香り」をインスタレーションに取り入れられる場合、どのように構想されるのですか?
私の場合、人の変化や反応といった身体感覚に興味がありますので、新たな発見や着想を得られたときに、それをどんな風に体感してもらったら喜んでもらえるかといったアプローチでインスタレーションの形式を考えていきます。例えば、マーケットという形式を取り入れているのも、単にお商売をする場所という意味合いだけではなく、そこに集まった人たち全員が「香り」を意識している場所となっていること自体がインスタレーション作品であると捉えています。マーケット形式は「食べる・売る・買う」といったくらしの中で身近に価値を実感することができる関わりやすい方法だと考えています。
<後編へ続く>
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■淡路花博20周年記念花みどりフェア
■アーティスト Installation/Scent Design & Direction
和泉 侃(Izumi Kan)氏 オフィシャルサイト
※記事内容は取材当時の情報です。詳細は各イベント・施設・店舗までお問い合わせください。
Date:2021.05.27