花マガ(淡路花博20周年記念 花みどりフェアwebマガジン)
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勝手にお庭訪問② これが淡路島SDGsガーデン
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レポーター紹介
投稿者 | 西海岸の住人 |
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性別 | 男性 |
年代 | 60代 |
住まい | 兵庫県洲本市 |
趣味 | 撮影 |
自己紹介 | 「あなたの淡路島」を発見する一因になるような内容をお届け出来ればと、何の根拠も無く無責任に勝手に考えております。宜しくお願いします。 |
最近よく見聞きする「SDGs」(持続可能な開発目標)という言葉。
その15番目「陸の豊かさも守ろう」の目標に着目し、今回の「花みどりフェア」で制作公開されたデモンストレーションガーデンがこちらです。
あわじ花さじきから車で5分程の所(淡路市野島常盤)に兵庫県立淡路景観園芸学校があります。
今回の花みどりフェアの「サテライト会場」の一つでもあります。
この学校の先生と現役の学生さん達で、これらの問題に真正面から取り組まれた作品です。
何の知識も無くこのデモガーデンを見てもピンと来なかったので、担当された沈(しん)先生に解説をお願いしました。
まず設置場所(淡路島国営明石海峡公園 移ろいの庭)が広いスペースの為、「ある程度の大きさが無いと目立たない」と高さのあるものを考えられました。
これが実際の制作イメージ図です。
今淡路島では放置竹林の増加で、これが他の生物の生態系を乱す原因になると問題になっています。
そこでガーデン造りにあたり、これらを何とか利用出来ないかと放置されている竹の使用が考えられました。
実際に学生さん達が山に入り、伐採してきた竹が使用されています。
これらの竹は、庭の導入部となる所に置かれた半円ドームのアーチのような形をしたもの、花壇の土壌のDWファイバー、さらに風車にも使用されています。
竹以外では・・・
学生さん達が淡路島の海辺で拾い集めてきた(淡路島産?)シーグラス。
海辺では単なる廃棄物も利用場所が変わると一転インテリアにも利用出来そうな、しゃれた小物に変身しています。
さらに近くのレストランで頂いて来たと言う、海鮮食材利用後の廃棄物の貝殻をつぶしたもの。
これらで淡路島の魅力の「海の要素」を表現されています。
そして地元の淡路瓦工場より譲り受けた、商品にならない不良品の「淡路瓦」の数々。
これらはまさに「活かせば資源、捨てればごみ」の典型で、SDGs12番目の「つくる責任つかう責任」の廃棄物の発生を大幅に減らす目標にも通じています。
学生さん達は素材集めの作業を通して、淡路島の海岸に流れ着くゴミや放置されている多くの竹林を目の当たりにし、今の環境問題に向き合う良いきっかけになったとの事でした。
さて正面竹の真ん中の空いているスペースから海に向かって進んで行くと・・・
左右に一気に空間が広がり、そこには淡路島産や日本原産の植物が植わっている花壇がありました。
この花壇と淡路瓦とで淡路島の「地域らしさ」を表現されています。
その花壇の土壌には淡路島竹チップを利用して造られている「DWファイバー」が使われていました。
これは保水性に優れていて水分を長く保つことが出来るそうです。
一方余った竹材で作られた風車は、海へと続く景観軸に沿って設置されています。
この場所の「空気(海風)の存在」を見える化されているそうです。
確かに回っているもの、止まっているものとそれぞれの場所により風の存在が明らかでした。
実はこのSDGsガーデンの建造物の後ろに、元々冬至10時の太陽位置を示すコンクリート製の柱が立っています。
この柱のラインと入口のラインを一直線上に並べた事により大地と海、そして太陽をつなげる景観軸が作れたとの事でした。
物質的にはいくつかの不要材料を再生化しそれらを活かし、そして視覚的には太陽と大地と海と風の要素を一つにまとめて 「淡路島を表現している」、計算しつくされたデモンストレーションガーデンでした。
SDGsを意識して制作されたものだったので、そのスケールの大きさやメッセージをとても感じられます。
ところで「あたなにとってのSDGsの取り組みとは?」と問いかけられているような気がしました。
(※撮影取材は2021年3月下旬のものです。)
取材協力
兵庫県立淡路景観園芸学校
沈 悦 先生
※記事内容は取材当時の情報です。詳細は各イベント・施設・店舗までお問い合わせください。
Date:2021.06.03